イタリアへの渡航について<2022年4月現在>

2年以上に渡って繰り返し延長されてきた、イタリアにおける【非常事態宣言】が、3月31日をもって終了しました。

これによって何が変わったか?そして、実際にイタリアへ渡航するには何が必要なのか?~簡単にまとめてお伝えしたいと思います。

実際にイタリアに住んでいても、この2年間で色々なルールが頻繁に変わり、その度に「在ミラノ日本国総領事館」からメールが送られてきています(北部8州は領事館の管轄で、中南部はローマの日本大使館の管轄)。

今回は、非常事態宣言が終わることによって、かなりの規制が緩和されるものと期待していたのですが、3月31日になってから領事館より以下のようなメールが届き、ちょっとガッカリしました。

●3月30日、新たな保健省命令が官報に掲載され、3月31日までとされていた現行のイタリア入国措置が4月30日まで延長されました。

在ミラノ日本国総領事館

これによって、引き続き4月1日から4月30日まで、あらゆる外国からのイタリア入国に際しては、EU パッセンジャー・ロケーター・フォーム(digital Passenger Locator Form (=dPLF)に加えて、いわゆるグリーンパス=COVID-19グリーン証明書(ワクチン接種証明、治癒証明、陰性証明のいずれか一つ)又は同等の証明書を提示することが必要となります。

では、4月現在で具体的にはどういう証明書が必要なのか、イタリアの政府観光局から来ていた案内がとても分かりやすくまとめられていたので、以下からご覧ください。

日本からイタリアへの入国で必要となるもの

イタリア政府観光局

上のサイトの中でもdPLFについて書かれていますが、改めてこれがどんなものなのか、以下を参照して下さい。

EU Digital Passenger Locator Form (dPLF)とは、旅行者が飛行機、船舶(クルーズ/フェリー)、鉄道、バス、自動車で移動中に感染症との接触があった場合に、公衆衛生機関が接触者を円滑に追跡するために利用されます。旅行者が旅客位置情報フォーム(PLF)で提供した情報は、渡航国の公衆衛生機関が旅行者と迅速に連絡を取るために使用されることができます。これは、旅行者とその接触者の健康を守り、感染症がさらに拡大を防ぐことを目的としています。

詳しくは引用のリンクをご覧ください👇

引用リンク:PLF公式サイト

それでは、非常事態宣言が終わったことで、何か変わったことはあるのでしょうか?

一つには、危険度による州の色分けが廃止されました。この2年間ずっと、レッド・オレンジ・イエロー・ホワイトの4つのカラーで各州ごとにゾーン分けされ、色ごとに規制が決められてきましたが、それがなくなったというものです。ただ、この色分けについては、ここ半年以上は実質的に機能していなかった感があるので、廃止されたと聞いても実際には何も変わらないのに等しい感じです(苦笑)

ここでは、実際に旅行者の方たちにとってどのような変化があったのかピックアップしてみたいと思います。

グリーンパスとマスクはどこで必要?

一番関連が深いのは、以下の場所でグリーンパスの提示が不要になったことでしょう。

  • 市内の公共交通機関(地下鉄、バス、トラム等)
  • ホテル等の宿泊機関
  • 美術館
  • 商店(ショッピングセンター、ブティックなどの個人商店)
  • 飲食店(レストラン、カフェ等)の屋外席

逆に言うと、長距離移動の交通機関(飛行機の国内線や都市間を移動する列車やバス)では、4月中はまだグリーンパスが必要です。

また、スポーツや音楽のイベント、そして飲食店の屋内席でもパスが必要になってきます。

次に、マスクの着用義務についても把握しておく必要があるでしょう。これについても、かなり細かくルールが決められているので、日本大使館のホームページに記載されているものを参照して下さい👇

2022年4月1日現在 COVID-19グリーン証明書が必要となる活動・マスク着用義務

在イタリア日本国大使館HP

FFPマスクとは?

上のサイトで着用義務が規定されているFFPマスクとは、Filtering Face Pieceの略で、粉塵やエアゾルを濾過するための欧州基準の表示です。実際には、FFP1、FFP2、FFP3の3段階に分けられ、FFP1マスクは空気中の粉塵の80%、FFP2は94%、FFP3は99%を除去するとされています。米国基準のN95、中国基準のKN95は、FFP2とほぼ同等の濾過性能を有し、日本の規格基準ではDS2が相当します。

日本ではこのタイプのマスクはあまり見かけないかも知れませんが、ネットでは以下のように販売されているので、イタリアへ渡航予定の方は事前に複数枚を購入しておかれることをお勧めします!

飛行機に搭乗する際には、4時間おきを目安に交換するよう推奨されているので、一人当たり3-4枚は必要になってきます。

今後の展望

5月からはグリーンパスの提示もマスクの着用義務も、おそらく廃止になるだろうと言われていますが、イタリアの一日当たりの新規感染者は、今も連日6万人超(先週1週間の平均値)なので、場合によっては規制緩和ルールがまた見直される可能性もあるかも知れません。イタリアの最新情報については、またこちらでお届けさせて頂く予定です。

追記:日本から渡航される皆さんにとっては、現地でのルールもさることながら、何よりも各航空会社の運航情報が重要となるでしょう。2月末から始まったロシアによるウクライナ侵攻の影響で、各航空会社のフライトスケジュールや運航ルートが変更を余儀なくされている現状、安全に確実に往復できる旅程選択がポイントとなってきます。

投稿者プロフィール

舞緒 ルイ
舞緒 ルイ
2011年よりイタリア・ミラノ在住。
渡航前は旅行代理店に勤務し、ヨーロッパ専門のツアーコンダクター
として、ヨーロッパ各地を周った経験から、2016年にルイジーロを
立ち上げて現在に至る。