ミラノの世界遺産 『最後の晩餐』~チケット情報とアクセス

今回は、ミラノ観光の目玉の一つでもある『最後の晩餐』のチケット入手方法と教会までのアクセスについて詳細をレポートしました。

最後の晩餐とは

イタリア・ルネッサンスの巨匠=レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作の一つ『最後の晩餐』は、描かれてから500年以上の間、決して保存環境が良いとはいえない状態に置かれてきたり、第二次大戦時の空爆を免れたりと、この作品が辿った歴史的経緯などから〔奇跡の絵画〕とも呼ばれ、イタリアでも1980年と初期段階でユネスコの世界遺産に指定されました。そして、20年以上に渡る本格的な大修復作業を終えて鮮やかに蘇ってからは、ミラノが世界に誇る至宝として、より多くの観光客を世界中から集めています。

レオナルド・ダ・ヴィンチ作『最後の晩餐』~筆者がスマートフォンで撮影

サンタ・マリア・デッレ・グラッツェ教会に隣接するドメニコ会修道院の食堂の壁に直接描かれた壁画であるため、キャンバスに描かれた絵画のように海外に持ち出して展示することができないので、「ここミラノまで足を運ばないことには鑑賞することができない!」という点も付加価値となっていることは言うまでもありませんが、近年では長編推理小説「ダ・ヴィンチ・コード(The Da Vinci Code)」とその映画化作品により、ミステリーや謎解き的な観点から世界的な注目を集めたこともあるのでしょう。

チケット予約

その鑑賞方法は他の美術館とは異なり厳格に制限を設けていて、完全予約制のためチケットの事前予約がほぼ必須となります。1回に入場できる人数は25名で、鑑賞時間はきっかり15分間。そのため、予約時間に遅れてしまったりするとせっかくの予約も無効になってしまいますし、一度した予約は変更もキャンセルもできませんのでご注意ください。

また、予約開始の日時が不定期なため、確実に予約をしたい場合は常に公式サイトをチェックするしかありません。大体2-3か月前にスタートしますが、オンラインでの販売数は制限されているため、発売開始されると瞬く間に売り切れてしまいます。また、大手の旅行代理店がまとめて枠を押さえてしまうこともあり、一般の方にはチケットが取り辛いのが現状です。あとは地道に電話をかけるしかないのですが、この電話もなかなか繋がり難いので、日本からの国際電話となるとハードルが高いですよね。

無事に予約が取れた場合は、メールで届いた予約確認書を印刷して持参し、チケットに引き換える必要があります。そのオフィスは、下の写真のように、最後の晩餐への入口より30メートルほど左へ行った隣の建物の中に独立しています。

予約時間の30分前までには到着して、まずはこちらのチケットオフィスに行って予約確認書を見せてチケットを発券してもらいます。ここに簡単な説明のパンフレットも置いていますが、日本語版はないこともあるので、見当たらない時は聞いてみましょう。

※イタリア語または英語のガイド付き枠で予約をしている場合は、こちらでオーディオセットを借りることになります。以前は各自で自分の言語を選んで聞くタイプのオーディオ・ガイドを有料で借りられたのですが、残念ながらコロナ禍で中断したきりになっているようです。

鑑賞方法

予約時間の少し前になったら入口(写真の黄色矢印)へ、ここで手荷物検査があります。大きな荷物では入れないので注意して下さい!そして空港にあるようなX線のアーチ(金属探知機)を通って待合室へ。。。待合室の壁にはイタリア語と英語で写真と説明が書かれているので、そちらを見ながら待っていれば、時間になると係員が来てチケットを確認して中に進めます。内部を湿気から守るために工夫されたガラスの自動扉が開閉しながら少しずつ進み、いよいよ名画との対面です!!

ご覧のように、この空間を25名で貸し切っての鑑賞です・・・近くから細部を見たり、遠近法を確認するため遠くから見たり、15分間を目いっぱい堪能して下さい♪

そして、この壁画の対面にあるフレスコ画「キリストの磔刑」(同じ時期にロンバルディア地方の画家によって描かれた壁画)もせっかくなのでご覧になって下さいね。壁画を描く場合に主に用いられる伝統的なフレスコ画技法と、ダ・ヴィンチがあえて選んだテンペラ画に似た技法との違いを比較できる点でも興味深いです。

サンタ・マリア・デッレ・グラッツェ教会

出口にはトイレと売店がありますが、外に出たらぜひ立ち寄って頂きたいのが隣接する教会です。時間帯によっては閉まっていることもありますし、ミサの最中は見学はできませんが、ユネスコによって指定されている世界遺産は『最後の晩餐』だけではなく、それを含めたサンタ・マリア・デッレ・グラッツェ教会とドメニコ会修道院という括りになっていますので、ここまで来てこちらに立ち寄らない手はないですよね!

外観とは全く違ったイメージの教会内部も一見の価値がある建築物です。そして、主祭壇の左手奥からは修道院の中庭回廊に出ることができます。修道士たちが瞑想をする空間だけあって、静寂に包まれた神秘的な世界観を感じられるのではないでしょうか。

もし教会がクローズしていた場合は、建物の裏手にぐるりと回ってみてください。回廊へ直接はいることができる入口が見つかると思います。

そちらから入ると、ご覧のように中庭回廊から教会を背景にした素敵なショットを写真に収めることができるので、お勧めです!お時間に余裕のある方は是非どうぞ。。。

教会までのアクセス

最後に、サンタ・マリア・デッレ・グラッツェ教会までのアクセスですが、公共の交通機関で行くには主に2つの手段があります。

1つは地下鉄で行く方法~1号線・M1〔赤ライン〕または2号線・M2〔緑ライン〕のカドルナ<CADORNA>駅から徒歩で10分ほどです。もしくは1号線でくる場合は、隣のコンチリアツィオーネ<CONCILIAZIONE>駅からの方が距離的には近いです。

ヨーロッパの市街地は、通りの角に必ず通り名が書いてありますので、地図と照らし合わせて確認しながら歩けば、迷わずにたどり着けるはずです(最近は地図アプリがあるので楽ですね!)。

もう1つはトラムで行く方法~例えば、ドゥオーモ広場の停留所から16番のトラムに乗って5つ目…教会のすぐ目の前に停まるので便利です。停留所の場所は、ドゥオーモを背にして広場の左手の角にモンダドーリ<MONDADORI>という大きな書店があり、そこを左に曲がってすぐの所にスポンティーニ<SPONTINI>という切り売りピッツァのお店があって、その真ん前が停留所です。ドゥオモ広場の周辺には、<Duomo>という名前の停留所が何ヵ所かにあり、路線によって停留所のある通り/場所が異なるので注意して下さい。

上の写真は、ちょうど16番のトラムが停留所に来たところですが、【16 SAN SIRO】と表示があるように、このトラムはサッカーのスタジアム行きです。ミラノの景色を眺めながら移動されたいという方には、地下鉄より時間はかかりますがお勧めです。

地下鉄やトラムの切符の種類や買い方・乗り方について詳細は⇒コチラ

ミラノの公共交通機関について

そして、トラムに乗っていると、下の写真のように教会の後ろ側が見えてきますので、次の停留所で降りるということでボタンを押して下さい。教会を通り過ぎてすぐのところが降り場です。

ルイジーロでは、最後の晩餐のチケット予約代行を承っております。チケット代金+一定の手配手数料を頂戴しておりますが、大手の旅行代理店と比較しても良心的な価格でご案内しておりますので、ご興味のある方は問い合わせフォームよりご連絡ください。

※チケットの詳細は以下の公式サイトのリンクをクリックしてご覧ください。

<最後の晩餐>公式サイト(英語)

<最後の晩餐>チケット購入サイト(英語)

CENACOLO VINCIANO

投稿者プロフィール

舞緒 ルイ
舞緒 ルイ
2011年よりイタリア・ミラノ在住。
渡航前は旅行代理店に勤務し、ヨーロッパ専門のツアーコンダクター
として、ヨーロッパ各地を周った経験から、2016年にルイジーロを
立ち上げて現在に至る。