• 舞緒ルイ

ミラノを包んだ歓喜と批判

最終更新: 5月22日

イタリアのサッカーシーズンもそろそろ終盤に差し掛かり、あと5試合を残すばかりとなった先週末のこと。。。2月の中旬から今シーズンの首位を独走していたイタリアのビッグクラブの一つ「FCインテル」(本拠地ミラノ)が土曜日に勝利し、日曜日に2位につけているチームが引き分け以下で、早くも今シーズンの優勝が確定することになっていました。

(※日本と違ってヨーロッパでは、シーズンが夏に始まって年を跨ぎます。)


優勝すれば2010年以来11年ぶりという、インテルのサポーター(通称インテリスタ)にとっては、念願の待ちに待った瞬間だったのです。それはもう”お祭り騒ぎ”になるに違いありません…

そして、5月2日(日)に優勝が決定すると、予想通りにミラノの街中はインテリスタで溢れました💦


イタリアの国民的スポーツであるサッカーは、1929年に現在のプロサッカーリーグ(日本でいうJリーグ)の形になり、以来トップリーグのセリエA(20クラブ制)に60のクラブが入れ替わり所属してきましたが、インテルはその歴史上で一度も下部リーグに降格経験のない唯一のクラブであり、しかも1908年発足という歴史ある名門クラブなので、当然ながら熱狂的なサポーターも数多くいます。


今季の優勝が19回目と、ライバルクラブのACミラン(18回優勝)のそれを上回ったことも、サポーターとしてはこの上なく嬉しかったのでしょう。

加えて、ミラノのあるロンバルディア州が、4月26日から約2か月ぶりに(レッド⇒オレンジを経て)イエローゾーンになっていて、気分的にも緩みが出ていたことも心理的に影響したのかと思います。


まずは、そのサポーターたちの歓喜の弾けっぷりを下の写真(スライドショー)でご覧ください。

【インターネットニュースより】※右の>印をクリックすると複数イメージが見られます


最初の8枚の写真はミラノのシンボル・大聖堂のあるドゥオモ広場に大集結しているサポーターの様子、9枚目はスタジアム周辺に車を走らせるサポーター、10-11枚目はスフォルツェスコ城前の広場に集結しているサポーター、そして12-13枚目は夜のドゥオモ広場の様子(ちなみに22時以降は夜間外出禁止)。。。


ニュースで発表された数字は、ドゥオモ広場だけで約3万人のサポーターが集まったと言われていますが、ミラノ市内に繰り出したすべてのサポーターの数を集計したら、おそらく、その倍以上にはなっていたかも知れません💦


実はこの様子、日本の報道番組でも「超濃厚接触状態」と紹介されていました(苦笑)

あちこちで焚かれる発煙筒や、中にはマスク無し(あるいは顎の下)の状態で大騒ぎしている人も!

”歓喜というより狂喜”に近いこの様子が、早々にYouTubeにアップされていたので、よかったら動画で確認してみて下さい👇


いかがですか?

まるで、スタジアムにサッカー観戦にいっているような臨場感がありませんか?!


余談ですが、私(と主人)はライバルクラブの「ACミラン」のサポーターでして、最後に優勝したのは10年前の2011年。ちょうど私がミラノに移住した年だったのですが、クラブの優勝パレードを見に、このドゥオモ広場まで旗を持って駆けつけました!(笑)


その翌年から、トリノを本拠とする名門クラブ「ユヴェントス」が脅威の9連覇(優勝36回)を成し遂げていたので、宿敵クラブの10連覇を阻止したという意味でも、インテルサポーターの歓喜に輪をかけたのではないでしょうか?!


しかし!いくらイエローゾーンになったとはいっても、今はまだコロナ禍です!!

夕方~夜のニュースでこの模様が放映されると、すぐに問題視する意見も大きく取り上げられました。


それも当然です。せっかく、ここのところ感染状況が落ち着いてきて、ようやくイエローゾーンになったのに、これでまた感染者が急増したら、あっという間にレッドゾーンに逆戻りしてしまいます(悲)


こちらの前々回のブログでも触れているのですが、イエローゾーンだった2月下旬に行なわれた試合「ミラノダービー」(ミラノを本拠とする2クラブの伝統の一戦)の日に、スタジアムの周りに集結した両クラブのサポーターたちが、今回と同じように超濃厚接触状態で大騒ぎをし、その結果、3月からオレンジゾーン、その2週間後にはレッドゾーンになって、それが1ヶ月も続いたのです!

もちろん、感染状況が悪化したのは、このミラノダービーだけが原因ではないのでしょうけれど、今回のお祭り騒ぎを見て、誰もがあの時のことを思い返したに違いありません。


そして、市民からの批判の声は、SNSなどを通じて「こうなることが予測できたのに何の対策も講じなかったミラノ市長」に集まりました。

例えば、ドゥオモ広場を封鎖して、その代わりに8万人が収容できるスタジアムを開放する...などの措置は取れたはずだと言う人も多くいましたが、「どうやったところで、サポーターが街に繰り出すのを止める手立てはなかった」と、市長も反論していました。


このサッカー絡みの騒ぎに、野党のリーダーが批判を上乗せして、政治論争が繰り広げられるあたりが、「カルチョの国イタリア」だなぁ~と妙に納得してしまいました。

(※イタリア語でサッカーのことをカルチョと言います)



<イタリアの感染状況の推移>

では、イタリアのその後の感染状況の推移です。(この記事は執筆時5月5日現在の情報を基に書いています)


過去4週間の推移を1日の増加数の週ごとの平均値で見てみましょう。

1週間のトータル数ではなく、一日あたりなのでお間違えなく!! 


   * 4/ 2- 4/ 8 感染者数:15,788 死者数:431 回復者数:18,093

   * 4/ 9- 4/15 感染者数:15,508 死者数:439 回復者数:19,969

   * 4/16- 4/22 感染者数:13,541 死者数:346 回復者数:18,599 

   * 4/23- 4/29 感染者数:12,609 死者数:312 回復者数:17,080


ご覧の通り、4月中は引き続き(少しずつですが)減少傾向にあり、毎週月曜日は特に感染者が少なくて1万人を切っていたのですが、昨日までは3日間続けて1万人を切り、これは昨年の10月中旬以降、6.5ヵ月ぶりのことです。そして、死者数も連日300人前後だったのが、5月2日には144人と約半年ぶりに200人を切りました。


これらを受けて、前述のように、ミラノのあるロンバルディア州でも、4月26日からは約2か月ぶりにイエローゾーンになっています。


最新の州ごとの危険度別色分け地図は、以下の通りです。

最新(5/3~)の危険度別イタリア色地図

3月にはイタリア全土がほぼ真っ赤だったのが、上の色地図では、ほとんどの州がイエローになっているのが分かります。唯一レッドなのは、スイスとフランスの国境に接した特別自治州ヴァッレ・ダオスタのみで、南部3州とシチリア島&サルデーニャ島がオレンジになっています。



<段階的な緩和に向けて>

最後に、新たな首相令・保健省令で発表されている「経済活動の再開」に向けての今後の主なスケジュールや規制措置は以下の通りです。(いずれもイエローゾーンの場合)


◎4/26~

*飲食サービス業は、屋外での着席の場合のみ、22時まで営業可能(店内は不可)


*イエローゾーンとホワイトゾーンの州同士なら、州を跨いでの移動が可能

(以前は友人や親戚などの私的住居への訪問が州内で一日に一度だけ4人まで許可されていた)


*劇場、映画館、コンサートが予約制で開館可能(収容人員の50%まで)⇒屋外は最大1,000人、室内は500人が上限


*屋外でのあらゆるスポーツ活動が可能(更衣室の使用は禁止)


左:歩道の街路樹の間に設けられた席  右:ショッピングセンターの通路に設けられた席

◎5/15~

*屋外のスイミングプールの営業が可能


◎6/1~

屋内の着席での飲食サービスが可能(ただし18時まで)


*スポーツジムの再開が許可(1年3か月ぶり!)


◎6/15~

*見本市や展示会の開催が許可


◎7/1~

*大規模会議や学会の開催が許可


上記スケジュールは、いずれもイエローゾーンであることが大前提なので、今後の感染状況が悪化してオレンジ以上に戻ってしまった場合には適用されません。


そして、先程のニュースでは、ワクチン接種証明かPCR検査の陰性証明書があれが、5月15日以降の海外からイタリアへの旅行者を受け入れることが正式に決まったと報道されていました。このことについては、詳細を確認してまたレポートしたいと思います。



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