7月11日にロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われた『欧州サッカー選手権=EURO(ユーロ)2020』の決勝戦は、1-1の引き分けで延長戦に突入し、合わせて120分の死闘でも決着がつかずPK戦にもつれ込み、その結果3-2でイタリアが地元イングランドを降し、53年ぶり2回目ヨーロッパ・チャンピオン🏆となりました!!


イタリアが国民的スポーツであるサッカーでメジャーなタイトルを取ったのは、2006年のワールドカップ(ドイツ大会)以来15年ぶりなのですが、その後のイタリア代表は、ワールドカップで2大会続けてグループリーグで敗退しただけでなく、2018年のロシア大会に向けては、なんと”予選敗退”(2017年11月)という大失態で低迷していたのです。


この低迷していたイタリア代表を甦らせたのが、2018年5月に代表監督に就任したロベルト・マンチーニ氏です。以来、今回の決勝戦まで34試合無敗という記録を更新中です!

チームは、今回成し遂げた”偉業”で、<Rinascimento Azzurro>(リナッシメント・アズッロ=イタリア代表の再生)と表現され、その功績を称えられています。


<各都市でのフィーバーぶり>

イタリア国内は、6月中旬からロックダウンもほぼ解除され、初夏の過ごしやすい気候なので、決勝戦はサッカーファン(であってもなくても)皆で集って応援しようという気運となり・・・首都のローマでは、広場に大型スクリーンを設置したパブリック・ビューイングが行われたり、各地のスポーツバーなども大賑わいの様子でした。

問題となったのは、優勝が決まった後のお祭り騒ぎぶり。。。試合が終了したのは、イタリア時間で既に深夜近く...日曜日の夜でも夏休み中の学生たちには関係なく、その興奮冷めやらぬ熱狂ぶりは、飲酒も加わってヒートアップしていったようです。


この前の準決勝の時でさえ、歌いながら騒いだり叫んだりする声や車やバイクのクラクションの音が街に響き渡っていたので、それが”優勝”ともなれば、それ以上のフィーバーぶりになることは容易に想像ができました💦


では、実際の各都市のイメージ写真をネットニュースの画像で確認してみましょう。


これらの写真は、優勝決定後のローマ、ナポリ、ミラノ、ジェノヴァでの様子ですが、若者たちの歓喜に湧く姿や、その群衆の中で発煙筒を焚いたりと、画像からもその熱狂度が伝わってきますよね。

屋外でのマスク着用義務も撤廃されているので、写真でみてもマスクをしている人はほぼ見られません。ほんの一ヶ月前まで”夜間外出禁止令”が出ていたことを考えると、マスク無しで夜の街を練り歩ける解放感は、彼らにとってはことさら特別なものに感じられたことでしょう。。。


なおミラノでは、やはり大聖堂広場の人混みが際立っていたようですが、市の南のナヴィリオ地区では、トラム(路面電車)の屋根の上に大勢の若者が登っている様子(3段目右側/写真6枚目)が写っていて、これにはさすがに驚きました!!実際、ミラノではこの夜、救急車で15人が運ばれ、そのうち3人は重体だったそうです💦



<ローマでの凱旋パレード>

優勝の翌日にロンドンからローマに凱旋帰国したイタリア代表(アズッリ)ですが、朝早くから空港で待って出迎えるファンもいたようなので、もしかしたら夜通しでお祝いしていたのかも知れません(苦笑)


その日の午後アズッリは、まず大統領官邸であるクィリナーレ宮殿に赴いて、マッタレッラ大統領に改めて優勝の報告をしました。

大統領は、決勝戦を観に現地まで応援に行っていたのですが、チャーター機の利用とはいえ、片道3時間近い飛行距離を移動し、スタジアムに3時間前後(決勝戦前セレモニー+試合90分+ハーフタイム15分+延長30分+PK戦+表彰式)滞在し、しかも日帰りという強行スケジュールです。今月で80歳を迎えるとは思えないスタミナです!


大統領官邸の庭園でマッタレッラ大統領と記念写真を撮るアズッリとベレッティーニ選手

ここには、奇しくも同じ日に同じロンドンの地で決勝戦を戦ったイタリア人テニスプレーヤーのマッテオ・ベレッティーニ選手も一緒に招待されていました。ベレッティーニ選手は、残念ながら世界ランキング1位のジョコヴィッチ選手に負けて準優勝となったのですが、それでも天下のウィンブルドンで決勝まで進んだ初のイタリア人プレーヤーなのですから、大したものです!


宮殿の庭園で行われた祝勝会では、国家演奏に続き、2つの決勝戦のダイジェスト映像が流れ、選手や監督のスピーチと最後に大統領の祝辞が述べられ、ベレッティーニ選手からはラケット、アズッリからは大統領の名前入りのシャツに選手たちのサインが入ったものがマッタレッラ大統領に贈られました。


上の写真では、中央のマッタレッラ大統領の右側に、ウィンブルドン選手権の準優勝プレートを携えるベレッティーニ選手、左側に欧州選手権の優勝トロフィーを抱えるアズッリのキャプテン=ジョルジョ・キッエリーニ選手が、そして更に左手にマンチーニ監督が写っています。ちなみに、アズッリがお揃いで着ているオフィシャル・スーツは『アルマーニ製』です。


続いて彼らが向かったのは、首相官邸のキージ宮殿です。この時の移動をテレビのライブ中継で見ていたのですが、アズッリを一目見ようと大勢のファンが集まって来ていて、バスが通る沿道も大変な人出でした。


首相官邸の中庭でドラギ首相と記念撮影をするアズッリとオリンピックに出場するアスリートたち

代表チームとベレッティーニ選手の到着を待っていたドラギ首相は、バスから降りた選手一人ひとりを入口で出迎えて言葉をかけていました。


ここでは、エストニアのタリンで7月8~11日まで開催されていた『ヨーロッパ陸上競技U-23選手権』で活躍したメダリスト5人も招待されていました。この大会でイタリアは、6つの金、5つの銀、2つの銅メダルを獲得して、参加国の中で1位となったようです。

上の写真の中で、ブルーのジャージ姿の選手たちがそうですが、おそらく彼らはオリンピック代表にも選ばれているのでしょう。


ドラギ首相は、スポーツ界で大活躍を果たし、イタリア国民に感動と勇気を与えたアスリートの彼らの活躍を称えて祝福しました。そして、スピーチの最後に、間もなく東京で開催されるオリンピックのことにも触れ、「昨日体験したような魔法の夜をもう一度体験したい」と期待を寄せました。

最後に、政府からの記念のプレートが一人ひとりに贈られて、記念写真を撮影して閉会しました。


アズッリがキージ宮殿から出てくると、用意されていたのは『欧州チャンピオン』と書かれた特製の2階建てオープンバスです。これに乗って『優勝パレード』でローマの街を行進です。

ご覧のように、密集した大勢のファンに囲まれてバスはなかなか進めません。。。

2階建てオープンバスでローマ市内を凱旋するアズッリ

優勝パレードの模様をダイジェストでまとめた動画がYouTube上にアップされていたので、こちらに貼り付けておきますね(約3分)。




<イタリアの感染状況の推移>

最後に、イタリアのその後の感染状況の推移についてもお伝えします。(この記事は執筆時7月17日現在の情報を基に書いています)


今回は、過去2週間の推移を1日の増加数の週ごとの平均値で見てみましょう。

1週間のトータル数ではなく、一日あたりの平均数となります。 


   * 7/ 2- 7/ 8 感染者数: 902 死者数: 21 回復者数: 2,009

   * 7/ 9- 7/15 感染者数: 1,602 死者数: 16 回復者数: 1,668


7月11日には、イタリア全国で死者数が7人と10ヶ月ぶりに一桁だったので、死者数の平均値は今のところ減少傾向のままなのですが、せっかく順調に減っていた感染者数も、この3日間は2,000人を超え始め、そして先程のニュースで本日(17日)の数字が発表されましたが、やはり3,000人を超えてきました。それでも、昨日イギリスが5万人を超えたのと比べれば、少なく感じてしまうのは気休めでしょうか?(苦笑)


今イタリアで心配されているのは、上記レポートのように、このサッカーの祝賀ムードで街に繰り出して密集し大騒ぎしていたのは、主に10~30代の若者であり、その大半がまだワクチン接種が済んでいないということです。

同じことは、イギリスの急激な感染再拡大にいついても言えるので、イタリアの数週間後の状況がイギリスのようになるのでは?という懸念が、人々の頭をよぎるのです。。。


参考までに、下の円グラフがイタリアの年代別のワクチン接種状況を表わしたものです。

イタリア全国の年代別ワクチン接種率(7/15現在)

関連して、世界のワクチン接種の状況(7/16現在)を見ていて気付いたことがあります。

ワクチンを1回以上接種した人をその国の人口で占める割合でみると、カナダの69.9%が1位で、英国が68%で2位、3位スペイン(62.1%)に次いで、イタリアは60%で4位でした。そして、日本は32.4%で14位となっていました。

ところが、これ(1回以上接種者)を累計数でみると、1位が中国(人口に占める割合は43.2%)の6億2,200万人と桁違いで、2位がインド(同22.9%)の約3億1,612万回、3位が米国(同55.4%)の約1億8,514万回、4位がブラジル(同43%)の約9,134万回、5位がドイツ(同59.1%で人口別でも5位)の約4,948万回、6位が英国の約4,616万回、次いで7位に日本が約4,095万回につけているのです!そして、イタリアは約3,626万回で12番目でした。

<出展:時事ドットコムより>


当初、ワクチン接種に関しては世界で出遅れていた日本も、国を挙げてスピードアップした結果、いつの間にか接種回数ではイタリアを追い抜いていたのです!

つまり、最初からその気になっていれば、オリンピックが始まる前には、かなりの接種率になっていたはずですから、現在の感染状況もまったく違うものになっていて、無観客にしなくても済んだのではないかと思うと、実に残念でなりません。。。



注:写真はすべてネットニュースより拝借しています。


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先日のブログで概要を紹介した開催中の『欧州サッカー選手権=EURO(ユーロ)2020』ですが、注目のイタリアが決勝まで駒を進めました!


まず、ラウンド16ではオーストリアと対戦し、0-0のまま延長戦となり、結果2-1で勝利。続く準々決勝では、ベルギー(現FIFAランキング1位)と対戦し、90分で2-1と決着を付けました。

そして、先日の準決勝では、宿敵スペインと対戦して1-1で延長戦となり、それでも決着がつかずにPK戦(4-2)にもつれこみ、辛くも決勝への切符をつかんだのです。


欧州選手権でのイタリアは、地元イタリア開催の第3回大会(1968年)で優勝してからは、2000年に準優勝(フランスに延長の末1-2と惜敗)、2012年に準優勝(スペインに0-4と完敗)ということで、今回で3大会ぶり4回目の決勝戦となります。つまり、優勝すれば53年ぶり2回目となるわけです!


イタリア戦がある時は、テレビ観戦をしている家からゴールの度に叫び声が聴こえるのですが、この前の準決勝の後には、仲間で集まって観戦していたであろうグループの騒ぎ声や、車でクラクションを鳴らしながら走り回る音が街に響き渡りました💦


一方、対戦相手のイングランドは、欧州選手権で初の決勝進出・・・つまり、優勝すれば初のタイトルとなります。

しかもイングランドは、意外なことにメジャーな大会では1966年に地元開催のワールドカップで優勝して以来の決勝戦で、それ以降、1990年と2018年のワールドカップでは、いずれも3位決定戦で敗れ4位という結果。

欧州選手権では、前述のイタリアが優勝した1968年の3位(とはいっても、当時は4ヶ国の参加)が最高位で、1996年のイングランド大会では、準決勝で宿敵ドイツにPK戦の末に敗れています。


その1996年の準決勝の時に、当時ディフェンダーとして出場し、6人目のキッカーとしてPKを蹴って外したのが、現在イングランド代表を率いているサウスゲート監督というのも、注目されている点です。舞台は奇しくもウェンブリー・スタジアムでした。

イングランドは、公式戦でずーっと負け続けていたドイツに、ラウンド16で勝ったことで、さらに勢いがついたとも言われています。



<熱狂するスタジアムのサポーター>

前回のブログでもお伝えしたように、各スタジアム毎に開催都市(国)のルールに従って、入場者の上限が設けられていますが、グループリーグでは2万人が上限だったロンドンのウェンブリー・スタジアムも、ラウンド16のイングランド対ドイツ戦には4万2千人が集まり、準決勝のイングランド対デンマーク戦には6万5千人が集結しました。

EURO2020準決勝 イングランド対デンマーク ウェンブリースタジアム(ロンドン)

ご覧のように、かなり”密状態”である上に、マスクをしている人はほぼ皆無であることが判ります。さらには、試合中も大声で叫んだり歌ったり、飛び跳ねたり抱き合ったりと、熱狂するサポーターの様子はコロナ前の<従来の観戦の姿>そのものでした。

(※筆者はテレビで観戦)


準決勝&決勝の3試合は、最大9万人収容の75%、つまり67,500人を上限とすることに決めたイギリス政府ですが、その決定を発表した6月下旬のイギリスの新型コロナウィルス新規感染者数は、1日で1万人を超えていた状況です。その後も急増傾向が続いていて、この2日間は3万人台を超え、ロックダウン前の昨年12月下旬の水準となっています。



<スタジアム外での感染も…>

人の密ができているのは、スタジアムの中だけではありません。大きなスポーツイベントにはつきものの、パブリックビューイングやスポーツバーでの観戦・・・特にこの時期は、ビールを飲みながら大いに盛り上がるのが定番です。

スタジアム周辺のパブ パブリックビューイングで盛り上がる若者たち

実際に、大会のせいで感染のクラスターが起きたというニュースがいくつか報道されています。

6月18日にロンドンで行われたグループリーグのイングランド対スコットランド戦には、スコットランドから大勢のサポーターが応援に駆けつけましたが、そのうち約1300人に陽性者が出たことが大きく報じられました。その内訳をみると、400人近くはスタジアムで観戦(総観客数2万人)したのですが、残りはパブなどスタジアムの外で応援していた人たちだといいます。


他のクラスターの事例としては、やはり感染のリバウンドが起きているロシアで、6月16日にサンクトペテルブルクで行われたグループリーグのロシア対フィンランド戦(総観客数2万5千人)を応援に行ったフィンランドのサポーターのうち約300人が、帰国後のPCR検査で陽性が判明したそうです。


スタジアムで観戦するには、新型コロナウイルス感染症の陰性証明書か、2週間前までに2回のワクチン接種を完了したことが入場の条件となっているので、感染の危険はむしろスタジアム外に多く潜んでいるのかも知れません。


WHO(国連世界保健機関)によると、6月の最終週には世界の新規感染者が10%増加しており、このようにユーロ2020の開催に伴って、各都市のスタジアム周辺のスポーツバーなどで観戦する人たちが増え、人流の多さが感染者数増に影響を与えたとみられています。



<大きな決勝戦が同日に2つ!>

実は、ユーロの決勝戦が行われる7月11日(日)は、イギリス・ロンドンでもう一つ大きなイベントが予定されています。


6月28日から2年ぶりに開催されているテニスの四大大会の1つである<ウィンブルドン選手権>の男子シングルス決勝戦が、同じ11日なのです。

ウィンブルドンでも、当初は観客数の上限を会場全体で50%までとしていたのですが、大会が進むにつれ観客の人数を徐々に増やし、6日の準々決勝からは人数制限を解除する、とイギリス政府が発表したことにより、1万5000人収容のセンターコートで行われる決勝戦は満員になる予定です。


私自身スポーツ観戦が趣味なので、テニスの主な大会も以前から注目して観ていました。このウィンブルドンもテレビで見ていると、スタッフはマスクをしていても、観戦客はほぼマスクを着用していません。英国では「紳士のスポーツ」とされるテニスですし、サッカー観戦ほど大騒ぎにはなりませんが、それでも試合会場ではアルコール飲料が提供されていて、ビールを飲みながら観戦している人の姿も見かけました。


そんな、ウィンブルドンの決勝戦に関して、先ほど大きなニュースが飛び込んできました。イタリア人テニスプレーヤーのマッテオ・ベレッティーニ(現世界ランキング9位)が、準決勝で勝利し、男女を通じてイタリア人として大会初の決勝進出を果たす快挙を成し遂げたのです!


今までテニス界では、さほど有名なイタリア人プレーヤーが輩出したことがなかったのですが、ここ1-2年で若手の台頭が著しくなってきています。


そして、たった今、決勝の相手がジョコビッチ(世界ランキング1位)に決まりました。

かくして、今度の日曜日は、イタリアのスポーツ界に限らず、イタリアにとって目が離せない日となりそうです。


イタリア共和国マッタレッラ大統領も、ユーロ2020決勝を観戦するためにロンドンへ行くことが報じられています。

イングランドのホームスタジアムで、完全なアウェー状況の中、イタリア代表はどこまで力が発揮できるでしょうか!?


FORZA AZZURRI!!(がんばれ、イタリア代表!!)



<イタリアの感染状況の推移>

最後に、イタリアのその後の感染状況の推移についてもお伝えします。(この記事は執筆時7月9日現在の情報を基に書いています)


いつものように、過去3週間の推移を1日の増加数の週ごとの平均値で見てみましょう。

1週間のトータル数ではなく、一日あたりの平均数となります。 


   * 6/18- 6/24 感染者数: 917 死者数: 25 回復者数: 6,010

   * 6/25- 7/ 1 感染者数: 727 死者数: 32 回復者数: 2,545   

   * 7/ 2- 7/ 8 感染者数: 902 死者数: 21 回復者数: 2,009


デルタ株の流行で懸念されていたように、7月に入ってから新規感染者数が再び増え始めています。17日間1,000人を下回っていたのに、この3日間は1,000人を超え始めました。それでも、イギリスの3万人に比べたら少なく感じてしまいます(苦笑)。


先週(6/28)から屋外でのマスク着用義務が撤廃されたイタリアですが、この2週間の様子を見ていると、道行く人の大半がまだマスクをしたままです。

中には、“あごマスク”や“ひじマスク”の人もいますが、日中は30度を超える日が多い中で、<義務>ではなくなったにもかかわらず、マスクをし続けるイタリア人の慎重さには、正直なところ驚いています。


オリンピック開幕を2週間後に控えた東京で、4回目の緊急事態宣言が発令された日本のことを考えると、1日3万人の感染者が出ていても、7月19日には正常化する予定のイギリス政府の肝の座り方に、個人的には感服すると同時に複雑な気持ちです。



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最終更新: 7月2日

コロナの影響で一年間延期となっていた欧州サッカー選手権=EURO(ユーロ)2020が、6月11日に開幕しました。

東京オリンピックと同じ理由で、一年遅れの開催でも名称はそのまま<EURO2020>で統一されています。


ワールドカップと2年ずらして、同じく4年ごとに開催される大会で、欧州予選を勝ち上がった強豪国同士で繰り広げられるレベルの高い試合は、サッカーファンにとってはワールドカップ並みに盛り上がる楽しみなイベントです!


延期されたとはいっても、ヨーロッパもまだコロナ禍~東京オリンピック開催を目前に控えた今、同じスポーツの大きなイベントとして注目されているこのEURO2020について、サッカーファンの一人である筆者の目線で、概要をお伝えしたいと思います。


<EURO2020開催地>

今回で16回目となるEURO2020は、1960年にフランスで第一回大会が開催されてから、ちょうど60年の節目にあたることから、記念の特別大会として欧州大陸全土の複数都市で大会を開催する事を、2012年12月の欧州サッカー連盟(UEFA)理事会で決めました。


1996年の大会から、出場国がそれまでの8カ国から16カ国に倍増し、2016年大会からは24カ国に増加したのですが、これは国際大会に出場する機会を欧州の中堅国にも与えよう...という意図があったようです。


このように、大会の巨大化が進むにつれて、ヨーロッパの中堅国では1ヵ国のみでの大会開催が難しい状況になったことから、2000年(ベルギー&オランダ)、2008年(オーストリア&スイス)、2012年(ポーランド&ウクライナ)大会のように、隣接する2ヵ国による共同開催がスタンダード化しつつありました。

(※2002年のワールドカップがアジアで初めて行われた大会で、日本と韓国の2カ国共同開催というのもW杯史上初でした。)


そして、2013年1月のUEFA理事会で、2020年大会を欧州13カ国での分散開催と決定しました。このうち12会場でグループリーグ3試合と決勝トーナメントの1回戦もしくは準々決勝の1試合、残る1会場で準決勝と決勝の計3試合を開催することとしました。

従来の開催国枠は撤廃されましたが、予選を通過した開催国はグループリーグ中の自国の試合を少なくとも2試合は開催でき、またグループリーグの組み合わせには、選手や観客の負担を抑えるために移動距離も考慮されるように決めることに。。。

スタジアムの収容人員数は、決勝・準決勝が7万人以上、準々決勝が6万人以上で、決勝トーナメント1回戦とグループリーグが5万人以上(2ヶ所は3万人以上でも認められる)という条件で、選出される開催地は1カ国につき1都市のみという枠組みとなりました。


これに基づいて開催地立候補の受付けを行ったところ、2013年9月の期日までに32協会から立候補の意向が示され、最終的には19の立候補都市が残り、その中から13箇所が一年後の2014年9月に開催都市として発表されました。


実際に発表の時点では13都市で予定されていましたが、ブリュッセル(ベルギー)はスタジアム建設の遅れにより2017年12月に開催地から外され、そこで開催予定だった試合は、ロンドン(イングランド)で行われることになりました。また、新型コロナウイルスの感染状況に伴い、2021年4月にダブリン(アイルランド)はその開催地から除外され、最終的に11ヶ国での分散開催となりました。同じくコロナの影響で、スペインでは北部の都市ビルバオから南部のセビリアに開催地が変更されました。


以下が、今大会の開催地とスタジアムの概要一覧です。

EURO2020の開催スタジアムと最大収容人数 <Wikipediaより>

投票の結果、決勝と準決勝はロンドン(イングランド)での開催が決定。また、ミュンヘン(ドイツ)とバクー(アゼルバイジャン)、サンクトペテルブルク(ロシア)、ローマ(イタリア)の4都市では、準々決勝1試合とグループステージ3試合を行うことになりました。


ちなみに、サッカーの世界においては、イングランドとスコットランドは別の国として認知されています。


※通称「イギリス」もしくは「英国」と呼ばれる国の正式名称は、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)で、もともと4つの国で成り立っている連合国です。

国際サッカー連盟(FIFA)の創立は1904年ですが、世界最古のサッカー協会であるイギリスのサッカー協会の創立は、それより約40年も早い1863年。4つの国の協会はそれぞれ個別に活動しており、FIFAへの加盟も4協会個別での加盟を主張したそうです。

当時のFIFAは、1国1協会(代表)での加盟が原則でしたが、サッカー発祥の地であり圧倒的な強さを見せていたイギリスには、ぜひとも加盟してもらいたかったので、4協会(代表)それぞれの加盟を認めたという背景があるようです。



<ローマでの開会式>

かくして、正式に開催地や試合のスケジュールなどが決まる中で、開幕試合はローマのスタジオ・オリンピコで組まれることとなり、オープニングセレモニーはローマのコロッセオ(ローマ時代の円形闘技場)という歴史的建造物でコンサートが予定されていました。


そして、欧州予選を勝ち上がった24ヶ国は、2019年11月の組み合わせ抽選会で6つのグループに振り分けられました。

ところが、年が明けて新型コロナウィルスが瞬く間に欧州中に蔓延したため、欧州サッカー連盟(UEFA)は、2020年3月17日に、夏に開催予定だったEURO2020を一年間延期することを正式に発表したのです。

ちなみに、東京オリンピックの延期が決定されたのは、この一週間後の3月24日でした。


こうして、一年延期された大会ですが、予定通り一年後の6月11日に、ローマで開会式が行われました。残念ながら、コロッセオでのオープニングセレモニー&コンサートという当初の構想は中止となりましたが、スタジオ・オリンピコでの開幕式には、世界的に有名なイタリア人オペラ歌手のアンドレア・ボチェッリが歌を披露しました!

※画像はネットニュースより


彼が開会式で歌ったアリア『誰も寝てはならぬ』は、プッチーニ作曲のオペラ『トゥーランドット』からのものであり、オペラでも最も有名なアリアの1つです。その歌詞の最後のフレーズである「Vincerò~♫」(ヴィンチェロ=私が勝ちますの意)が、スポーツイベントにふさわしいとして、よく歌われるのです。

※余談ですが、2006年のトリノ・オリンピックで、フィギュアスケート女子シングルで金メダルを取った荒川静香さんのフリープログラム曲としても使われています。


開幕戦は、ホームのイタリアがトルコに3-0と圧勝し、その後もイタリアは、スイスにも3-0で勝利、ウェールズに1-0で勝って、三試合無失点でグループリーグ1位通過を決めました!


参考までに、5年前の前大会EURO2016の時にも、イタリアのチームにスポットをあてて、このブログで紹介しています。よろしければ、コチラ☜からご覧ください。



<決勝トーナメント>

各グループの上位2チーム(6x2=12)に加えて、3位チームのうち上位4チームの合計16チームが、決勝トーナメントに進出します。

グループリーグの結果、勝ち上がった16チームのトーナメント表と試合日程は、以下の通りです。

※表示の日時は分かりやすく日本時間(欧州との時差は開催地によって日本より-6~8時間)のものを掲載しました。


残念ながら、日本ではいずれも深夜の時間帯ですよね💦

でも、WOWOWプレミアムとWOWOWライブで全試合が放映されていますので、サッカーファンの方は、録画または時差調整をして、ぜひご覧ください!


ということで、わがイタリアは今夜オーストリアとベスト8をかけての対決です。最近のイタリア代表チームは、スピード感があって、観ていてもおもしろいです。予選から代表チームの無敗(代表戦はここ30試合連続無敗)が続いていて、好調なアッズーリ(サッカーのイタリア代表のニックネーム)に、イタリア人の期待も高まっています!!



<EURO2020のコロナ対策>

◎開催都市の分散方式

選手たちは、グループリーグの間は、ホーム開催試合を除いては中3日から4日あけて欧州の各都市に移動していましたし、決勝トーナメントが始まってからも、この移動が伴います。

一国開催ではなく、複数都市の開催になったことが、結果的にはコロナ対策のメリットとなったのかも知れません。私も、初めはコロナ禍でこのような方式が取られたのだと思っていたくらいです。

一方で、東京オリンピックは、一部の競技が札幌と福島と宮城で行なわれますが、大半は

東京および関東にほぼ一極集中ですし、毎日のように過密日程で競技が行われます。


◎スタジアムの観客数制限

グループリーグから準々決勝までは、各都市ごとに入場者の上限が異なっています。

*ブダペスト(ハンガリー):100%(約6万人)

*バクー(アゼルバイジャン):50%(約3万人)

*サンクト・ペテルブルク(ロシア):50%(約3万人)

それ以外の都市はだいたい4分の1程度で、実際のグループリーグの観客数を見てみると、

*コペンハーゲン(デンマーク):約2万5千人

*ロンドン(イングランド):約2万人

*アムステルダム(オランダ):約1万5千人

*ローマ(イタリア)/ミュンヘン(ドイツ):約1万2千人

*セビリア(スペイン)/グラスゴー(スコットランド)/ブカレスト(ルーマニア):約1万人


実際には、対戦カードで観客の入りも前後したようですが、テレビを見ている限りでは、スタジアムの観客が一人ずつ距離をあけてとっているとは言い難いですし、マスクの着用についてもまちまちでした。


◎各国(各都市)ごとの入場規制

観戦者がスタジアムに入るには、次の3つのうち最低1つの証明書の提示が必要。

*ワクチンの完全接種の証明書

*過去に感染して完治した証明書

*72時間以内のPCR検査による陰性証明書


アムステルダムでは、ワクチンの完全接種の証明書だけでは不十分で、さらに陰性証明書が必要。また、ブダペストでは、入場時に体温検査をし、37.8度以上の者は入場が拒否されるとのこと。(注:白人の平熱は、一般の日本人よりも高いらしいです)

さらに、ミュンヘンでは、観客はKN-95(欧州規格でFFP2)の防塵マスクを着用しなければならない・・・といった感じです。


また、そもそも移動・旅行ができるのかという問題は、開催国の政策ごとに異なります。入国後に何日かの検疫&隔離が必要な国々では、国外から行くこと自体が難しいでしょう。


◎試合開催の特別規則

通常は1チーム23人の選手が登録されるところ、今回は26人まで許されました。

また、大会開催中に感染が拡大した場合のことも考慮され、いくつかのレギュレーションが追加されています。

例えば、ゴールキーパーを含む健康な13名以上の選手がいれば、プレーすることができます。もしそれができない場合、試合は最大で48時間延期されます。そして、延期しても試合が開催できない場合、当該チームは3対0のスコアで負けとなります。

このような規則は、欧州選手権史上でも初めての特別規則です。

※これは、東京オリンピックの場合、集団競技には参考になるかもしれませんが。。。


◎バブル方式の採用

「バブル方式」とは、国際大会で導入が進む新型コロナ対策の一つで、開催地を大きな泡(バブル)で包むように囲い、選手や関係者の外部との接触を遮断する方法で、これまでも多くのスポーツ大会で採用されています。


今大会でも、欧州サッカー連盟の指示に従い、24チームは2週間前に準備を開始してから大会終了まで、健康管理の中に閉ざされています。選手やスタッフは、定期的にPCR検査を受けなければならず、外部と遮断した空間をつくる「バブル方式」で感染を防ぐため、外部との接触はほとんどないといいます。

周りの一般人やサポーターはお祭り騒ぎをしていても、選手は前例のないストレスと孤独、そして厳しい管理の中に置かれている訳です。


バブル方式の成功例は、今年2月に行なわれたテニスの全豪オープンです。選手はチャーター機で入国し、2週間のホテル隔離生活の間、毎日PCR検査を実施して、大会を無事に終えました。

また、3月のフェンシング(ハンガリー)、4月のレスリング(カザフスタン)、5月の柔道(ロシア)などの国際大会でもバブル方式が採用されたようです。

それでも、感染者がまったく出なかった訳ではなく、レスリング関係者は「日本人はまじめだが、マスクをしないでわめき散らす国が結構あった。ルールを守るかどうかの差が激し過ぎる」と振り返ったそうです。


※東京オリンピックでも、このバブル方式が採用されるようですが、報道でも言われているように、オリンピックとパラリンピックの場合は、上記の国際大会をはるかにしのぐ規模となります。

また、東京オリンピック組織委員会によると、このバブルに出入りする関係者のうち、国内の約30万人(ボアンティア、通訳者、警備員、運転手、清掃員など)は、公共交通機関で自宅などから通うため、完全なバブルを遵守しているとは言えません。しかも、この30万人に対して、政府が用意しているワクチンの数は2万人分しかないそうです。


<懸念されるイギリスの状況>

6月22日にイギリス政府は、ロンドンで行なわれるEURO2020の準決勝(7/6&7)と決勝(7/11)に、6万人以上の観客を入場させると発表しました。 試合が行われるウェンブリー・スタジアムの収容人数は9万人で、観客数はその75%(=6万7,500人)を上限にするということです。


イギリスでは、新型コロナウィルス流行後の最大のイベントとなりますが、インド型変異ウィルスと呼ばれるデルタ株が蔓延し、最近の1日の新規感染者数は1万人を超えていて、6月21日に全面解除する予定だった規制が、7月19日に延期されたばかりでした。


そこで、イタリアのドラギ首相は、デルタ株が猛威を振るうイギリスでの開催に懸念を示して、決勝の開催地をローマのスタディオ・オリンピコに変更する案について働きかける構えであることを示しました。


いずれにしても、この欧州サッカー選手権が原因で、感染の再爆発という事態だけは、なんとしても起こらないことを祈るしかありません。



<イタリアの感染状況の推移>

それでは、イタリアのその後の感染状況の推移です。(この記事は執筆時6月26日現在の情報を基に書いています)


いつものように、過去3週間の推移を1日の増加数の週ごとの平均値で見てみましょう。

1週間のトータル数ではなく、一日あたりの平均数となります。 


   * 6/ 4- 6/10 感染者数: 2,101 死者数: 73 回復者数: 7,206   

   * 6/11- 6/17 感染者数: 1,412 死者数: 48 回復者数:11,465

   * 6/18- 6/24 感染者数: 917 死者数: 25 回復者数: 6,010


引き続き順調に減少傾向にあり、この2週間で感染者数も死者数も平均値がさらに半分以下になっています。6/21には、新規感染者数が484人と500人を下回り、これは昨年の8月18日以来10ヵ月ぶりです!


そして、イタリアでは来週6月28日から”屋外でのマスク着用義務”が撤廃されます。いよいよ本格的に暑くなってきましたし、これで海や山でのヴァカンスでは、口を覆う必要がなくなる訳です。


とはいっても、誰もが「今後の状況次第では、昨年のように、また秋から厳しい制限措置が始まるかもしれない…」という恐れはもっているに違いありません。例えそうなったとしても、一時でもいいから、この夏は解放されて満喫したいと多くの人が思っていることでしょう。



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