5月18日から事実上の外出禁止令が解かれ、2回目の週末を迎えたミラノ。まだ全てではないけれど、商店やブティック、カフェやレストランなども再開し、街に少しずつ活気が戻り始めています。


ロックダウン中は、近所のスーパーや薬局に買物に行く時でさえ、「自己申告書」と「身分証明書」を携帯しなくては出歩けなかったし、第一弾の規制緩和後も、別居の家族・親戚や婚約者の訪問以外はNG・・・それが、申告書なしに自由に街に出たり、生活必需品以外のショッピングをしたり、友達と出かけることができるようになったのです。

もちろん、一定の距離(最低1メートル)を取り、マスクを付けることが条件となっていることは言うまでもありません。


実に2ヶ月と1週間の軟禁生活を過ごしたミラネーゼ。。。この間に春から初夏へと季節が進み、屋外の席でお茶をしたり、アペリティーボ(夕食前につまみながら一杯飲むミラノ発祥といわれる習慣)したりするのに最適の気候!夏物の洋服や靴だって新調したい!!そんな気持ちがうずうずしていた訳ですから、解除と同時にはち切れて一斉に出歩く人が増えることは容易に想像ができました。


【ミラノ中心部の歩行者専用エリア(上)/ナビリオ運河沿い(下)】

ご覧のようにかなりの人出・・・ほとんどの人がマスクは着用しているものの、場所によっては一定の距離が取れているようには見えません。

そして、これが夜になると状況はさらに悪化しています!


【夜のナビリオ地区(上)/ガリバルディ地区(中・下)】


かなり密な状態で人だかりができていて、まったく距離が保たれていない上に、マスクを外してしまっている人も見かけられます。たしかに、飲食や飲酒はマスクをしたままでは出来ませんが、問題はこの密集してしまっていることです。


これにはミラノ市長も憤慨し、毎日のようにSNSでビデオメッセージを発信していましたが、先週末の様子を受けて直ぐに県警に連絡し、すべての警官(国家警察、軍警察、財務警察、市警察)を動員してパトロールの強化をすること、また、19時以降のアルコール飲料のテイクアウト販売を禁じるとの声明を出しました。


【日中の巡回の様子(上)/夜のパトロール(下)】


ミラノのナイトライフに欠かせないアペリティーボ・・・元来は「食前酒」を意味する言葉ですが、夕方の仕事帰りや食事前にバールやパブに立ち寄って、カウンターで軽く一杯(カクテルやワイン、ビール等)飲みながら、チップス、オリーブ、カナッペなどのフィンガーフードをつまんだりする行為そのものを指すようになりました。

現在はシステムも多様化して、ビュッフェ・スタイルの軽食が取れたりと、着席スタイルのお店も増えていますが、席に座ってまったりするよりも、大人数で立ったままワイワイお喋りするのが定番。特に人気のスポットでは、常に外にまで人が溢れて、グラスを片手に、それでもジェスチャー盛んに喋り続ける光景を見ると、イタリア人の元気の源はこの‘お喋り’なんだなぁ~と妙に納得する次第です。

友人のご主人は、ほぼ毎日のように行きつけのバールに寄ってから帰宅するそうですが、これってお酒を飲むことよりも、そこで顔見知りの常連さんたちとお喋りすることが目的なんだろうと思います。


そもそも、イタリア(特にミラノ)でこれだけ感染が急拡大した一因には、この習慣も大きかったのではないかと改めて思うほどです。

そんなイタリア人が、2ヶ月以上も友人や仲間と接触を断ち、大好きなアペリティーボもできなかった訳ですから、解除後にこうなることは十分に懸念されていたはずなんです。


この現象は、もちろんミラノだけにとどまらず、イタリア各地で起こっているので、各州知事や市長は様々にコメントを出しています。知事の間では、パトロールによる取り締まりには限界があり、あとは個々の良識に訴えるしかないという記事も目にしました。

また、規定に沿った営業ができていないからと罰金を科せられた飲食店も出ているようです。さて、この週末は一体どうなることでしょうか?



<その後のイタリアの状況の推移>

では、前回に引き続きイタリアの状況をレポートしたいと思います。(この記事は執筆時5月30日の現地14時現在の情報を基に書いています)


その後の比較をするために、過去3週間の推移を1日の増加数の週ごとの平均値で見てみましょう。(※比較しやすいように四捨五入して数値を丸めています)

  

  *5/ 8-14 感染者数:1,030 死者数:200 回復者数:2,530

  *5/15-21 感染者数: 700 死者数:160 回復者数:2,750

  *5/22-28 感染者数: 530 死者数: 90 回復者数:2,290

ご覧のように、新規感染者数も死者数も2週間で半数前後と減少しています。注目されるのは、解除後の上記のような状況がどのように反映されてくるかです。いわゆる潜伏期間の平均が2週間とすると、これが来週以降に出てくるのではないかという心配。。。


そして、再びロックダウンとなった時には、イタリア経済はどうなってしまうのか?!



注:上記掲載の写真はネットニュースよりお借りしたものです。



#コロナウィルス #現地レポート #ミラネーゼ #ナイトライフ #アペリティーボ  #andratuttobene

一昨日の朝、ミラノの上空を9機の戦闘機が轟音とともに通過しました。その戦闘機からはイタリアンカラー(緑・白・赤)の噴煙が出て、まるでイタリア国旗が空を舞っているように映りました。


このアクロバティックな技を披露しているのは、イタリア空軍所属の曲技飛行隊で、愛称は『フレッチェ・トリコローリ(Frecce Tricolori)・・・「フレッチェ」は「」を意味し、「トリコローリ」は直訳すれば「三色」~つまり「三色旗(イタリア国旗)」を表しています。1961年に創設され、イタリア北東部のリボルト空軍基地を拠点としている飛行チームです。


【ミラノ大聖堂の上空を飛ぶ飛行隊】

今回、5日間かけてイタリア全土を飛行するツアー『ジーロ・イタリア』が企画され、 “団結、連帯、復興”をテーマに、象徴的にイタリア国民を勇気づけると同時に、新型コロナウィルスの犠牲者と家族への敬意を示そうというものです。


そのツアー初日が、このコロナ騒動の発信地となったロンバルディア州コドーニョの町を皮切りに始まり、ミラノやトリノの上空を飛んで北西部へ。昨日はジェノヴァからフィレンツェなどの中部イタリア、今日はシチリア島の上空、明日はバーリやナポリなど南イタリアへ行き、5日目はアドリア海沿岸からボローニャやヴェネツィアを経由して北東部に戻るというルートです。


イタリア人が挨拶する時にするハグ(抱擁)ができない現在の状況下において、「まるで空から大きなハグで包まれているようだ!」という見出しでネットニュースでも紹介されました。

せっかくなので、ミラノの大聖堂の上を通過する様子をライブ音とともにご覧ください!




このツアーは、最終的には6月2日イタリア共和国記念日をお祝いするために、首都ローマでアクロバット飛行を披露して締め括ります。

74周年となる今年は、まだコロナ禍の最中のため、例年のような記念式典や軍事パレードは予定されていませんが、この日の記事を以前ブログで簡単に紹介しているので、良かったらコチラ☜をご参照ください。



<その後のイタリアの状況の推移>

では、前回のブログ以降のイタリアの状況をレポートしたいと思います。(この記事は執筆時5月27日の現地16時現在の情報を基に書いています)


まず、この2週間の推移を1日の増加数の週ごとの平均値で見てみましょう。(※比較しやすいように四捨五入して数値を丸めています)

  

  *5/ 8-14 感染者数:1,030 死者数:200 回復者数:2,530

  *5/15-21 感染者数: 700 死者数:160 回復者数:2,750

ご覧のように、その後も減少傾向で推移しています。新規感染者数は、5月13日から昨日(26日)まで、14日連続で1,000人を下回っていて、この2日間は300人台と過去の2ヶ月間と比較すれば低水準ですし、死者数も昨日まで3日連続で100人を下回っています。


さて、外出禁止令が解除となって10日目~先週末は解除後の初めての週末を迎えたミラノですが、懸念されていたように、若者を中心に大勢の人が街に繰り出しました。

その様子はまた、次回のブログで改めてリポートしたいと思います。


注:写真や動画はネットニュースよりお借りしたものです。



#コロナウィルス #現地レポート #フレッチェトリコローリ #イタリア空軍 #曲技飛行隊 #freccetricolori #andratuttobene

最終更新: 6日前

土曜日の夜(5月16日)に行われたコンテ首相の会見は、久しぶりに報道陣を集めて行なわれたものでした。あえて屋外(首相官邸の中庭)にて、数社に絞られた記者同士の間隔もあけて設置されている光景が印象的でした。

ロックダウンされてからは、会見はテレビとインターネット中継のみで行なわれ、記者からの質問も、先週まではリモートのビデオ電話方式が採用されていたからです。


【記者の質問に答えるコンテ首相(左)/16日の記者会見の模様(右)】

段階を追って元の生活を取り戻そうとする「フェーズ2」の次のステップ=商業活動や博物館・美術館などの再開が5月18日から始まるにあたり、6月1日から予定していたレストラン・カフェなどの飲食店や、美容・理容院、エステなどを含む店舗営業を前倒しして、これらも一斉に5月18日から再開可能にするとの発表があったのです。


他に18日から再開可能な活動は、ミサなどの宗教活動、スポーツにおけるチームでの練習、そして、少し早い感じはあるけれど海水浴場・・・早速ビーチにおけるソーシャルディスタンスについても盛んに報道されています。

さらに、5月25日からはプールやジムなどのスポーツセンターも再開できることになっています。

ちなみに、映画館や劇場など、屋内で大勢の人が集まるような施設の再開予定は、6月15日からと、まだ様子を見てのスケジューリングのようです。


中でも一番に驚いたニュースは、6月3日からイタリアが国境をEU諸国に対して再開放する、というものでした。

これまでは、特別な理由があって、それを証明できる場合のみ、県外や州外へ行くことが許可されていた移動制限でしたが、それが早くも来月から(イタリアでは6月2日が祝日で飛び石連休となるので、その連休明けで3日になった模様)、EU圏内に限定されているとはいえ、国外との行き来(相手国の入国条件にもよる)を可能にするというのです。

この背景には、15万人といわれる東欧からの季節労働者の受入れと、イタリアGDPの13%を占めている観光産業を何としても崩壊から防ぎたい、といった意図があるようです。



<数字で見るイタリアの状況の推移>

では、この政府の決定の背景にあった指針=その後のイタリアの状況をレポートしたいと思います。(この記事は執筆時5月19日の現地14時現在の情報を基に書いています)


まず、前回のレポート以降の2週間の推移を見てみましょう。1日の増加数の週ごとの平均値は、比較のために3週間前からのものです。(※比較しやすいように四捨五入して数値を丸めています)

 

  *4/24-30 感染者数:2,210 死者数:350 回復者数:2,620

  *5/ 1- 7 感染者数:1,490 死者数:280 回復者数:2,900

  *5/ 8-14 感染者数:1,030 死者数:200 回復者数:2,530


ご覧のように、新規感染者数は2週間で半分以下となり、死者数も6割弱と引き続き減少が顕著にみられます。

これは1週間の総数ではなく、それを7で割った一日の平均値なのでお間違えなく!(日本の数値と比べると桁違いなので念のため。。。苦笑)


そして、昨日まで6日連続で新規感染者数が1,000人を切り、昨日(18日)発表された数字は451人と500人を下回ったのは3月3日以来、死者数は99人と100人を下回ったのは3月9日以来で初めてでした!


もちろん、政府が指針としているデータはこれだけではありません。陽性率やICUの患者数など他の数字も合わせ、専門家の意見を交えた総合的な判断となります。

 

前回同様、以下に昨日(5月18日)更新された最新の折れ線グラフを貼り付けています。

赤線が新規感染者、緑が回復者、グレーが死亡者、サーモンピンクが現状の陽性者数を表しています。

【この2ヶ月間の推移を表す折れ線グラフ】


一番右に書かれている数字が、昨日(5/18)発表された前日からの増減数です。

このままのペースで良いので、確実に新規感染者も死亡者数も減っていってくれることを願うばかりです。

【この2ヶ月間の累積傾向を表す折れ線グラフ】


右端の数字は、昨日(5/18)発表された各項目の総数です。安定して回復者数(緑線)も出ているため、5月6日時点で折れ線が交錯して以降、現状の陽性者数(サーモンピンク)を上回り続けています。


ちなみに、6万6千人以上の陽性者のうち、入院患者数は約1万人余り、集中治療患者が749人、それ以外は自宅療養者となっています。



<新しい生活スタイル>

2ヶ月以上に渡る規制下での生活に、多くのイタリア人は我慢してストレスを貯めつつ、不安を抱えながら自宅に篭って過ごしていました。

昨日からは、様々な条件付き(公共の場での対人距離やマスクの着用、入店時のアルコール消毒など)とはいえ、普通に外出して買い物をしたり、カフェで友達とお茶を飲んだり、家族で外食することができるようになりました。


私も久しぶりに、スーパーへの買い出し以外で近所を散策してみました。もちろん、規制が緩和されたとはいえ、上記のデータの通り、新規感染者や陽性者がまだ多数いるので、充分に警戒する必要はあります。

警戒するのはお互い様で、人と道ですれ違う際にも端と端に分かれて距離を保つ習慣は身についたままです。


【マスクを付けて対人距離を保ちながらベンチで日光浴する人たち】


そして、目についたのが自転車で移動する人が多かったことです。公共交通機関の混雑を緩和するため、自転車での通勤や移動を推奨しているという話は耳にしていました。

実際に4月末から、ミラノ市内では自動車道路から「自転車専用道路」への転用という形で工事が進められているのです。

さらに最近、新規で自転車を購入する人には、申請すれば60%の補助金(上限500ユーロ)が補填されるというニュースを見て驚きました。


【自転車で移動中もマスクを着用する人々】


近年では、排気ガスによる空気汚染が問題になっていた街なので、そういう意味では一石二鳥のような気もしますが、自動車や歩行者との接触事故などが増えたりしないか心配だったりもします。

また、ミラノ市内はトラムが網羅されていて、上の写真にも見られるように路面にレールが敷かれているところが多いため、自転車の車輪がレールに嵌ったり滑ったりして、注意が必要です。



<公共交通機関では>

地下鉄やバス・トラムといった公共交通機関では、ソーシャルディスタンスを維持するために、乗車人数を制限したり、停留所や車内などにマーキングが付けられています。

今までは整列して並んだりする習慣のなかったイタリア人も、さすがに人との蜜を避けるために守っているようです。


【地下鉄では座席も間隔を空けて(上)/バス停にもマーキング(下)】



<ニュースで見る実情>

営業再開のゴーサインは出たものの、経営者サイドにしてみれば手放しで喜べることばかりでもありません。例えば、レストランやカフェでは、テーブルとテーブルの間隔を空けるためにテーブルや座席数を減らしてレイアウトを変えるなどの工夫を余儀なくされます。当然、集客量は半減またはそれ以上に減るところがほとんどでしょう。


そして、再開したからといって、すぐにお客さんが戻るという見込みも保証もありません。この2ヶ月の外出禁止期間で、人々の間からは外食の習慣がなくなり、自炊生活が身についてしまったことに加え、他人と接触して感染するリスクがなくなった訳ではないからです。


特に、観光都市や観光客相手の商売は、問題がより深刻です。仮に、予定通りEU間での国交が再開したからといって、すぐに旅行者が観光目的でやってくる見込みも保証もありません。加えて、今回のコロナ問題は、イタリアだけでなく他のEU諸国中に拡大している訳ですし、さらに言えば、ここ近年のイタリアの観光収入を支えてきたのは、むしろEU圏外の国からの旅行者が主だったからです。


中には、すぐに活動を再開せずに様子を見る商店や飲食店もあるようですし、再開させたくてもその操業資金にも困っていて開けられない店舗も少なくないとか・・・



<今後の懸念と課題>

コンテ首相が記者会見でも述べたように、油断してまた感染状況が悪化してしまった場合には、再び封鎖せざるを得ない可能性も十分にあります。

世間では、まだ時期尚早なのではないかという慎重派もいれば、遅すぎたくらいだと批判している人たちもいます。


土曜日の記者会見から一夜明けた日曜日、爽やかな初夏の陽気で、市内の公園には沢山の家族連れや若者で溢れていた映像がニュースで流れました。


お隣フランスでは、先週11日から学校が再開したそうですが、イタリアでは9月の新学期までの休校継続が決まっていて、実質的にこのまま夏休みに突入です。2月末から休校になっていた子供・学生たちは、約3ヶ月ぶりに友人との再会が可能になったので、こういった現象も致し方ないことなのだと思います。


一方で、普段でも3ヶ月と長い夏休みが、今年はなんと半年になる訳です!もちろん、この間もオンライン授業が行われているようではありますが、実際には学校によってバラつきも多いと聞いているので、イタリアの若者の学力の低下が将来に響かなければいいなぁと懸念する声も少なくありません。


何はともあれ、当面の間はウィルスと共存していかなければならない訳なので、引き続き気を引き締めて注意しながら、一人一人がルールを守って自分にできることをやっていくことが感染の再拡大を防ぐ唯一の方法ではないかと思っています。



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